後宮に渦巻く“見えざる悪意”――
第40話「巣食う悪意」では、猫猫の推理力と、父・羅漢の策略が交錯する重厚なドラマが展開されました。
羅門の善意から生まれた「注意書き」が、実は陰謀の道具として使われていたかもしれないという展開。そして、羅漢と子昌の“心理戦”の裏には、皇位継承に関わる重大な秘密が――?
この記事では、伏線の張り方が巧妙すぎると話題のアニメ『薬屋のひとりごと』第40話を、熱い展開のアニメが好きで、アニメ歴15年以上の筆者・かっちゃんが、感想と考察を交えて全力で語っていきます!

医療×推理×宮廷ミステリーが織りなす傑作回、あなたも一緒に考察の世界へ足を踏み入れてみませんか?
あらすじ
羅門の「注意書き」が裏目に?──猫猫が見抜いた陰謀とは?
逆子の疑いがある玉葉妃の出産を支援するため、猫猫の養父である羅門が後宮の医局に赴任します。
羅門は後宮の問題点をまとめ、女官たちの手習いの教材として注意書きを作成します。
- 鉛入りのおしろいは使わない。
- 強い香料は控える。
- 後宮内の植物を勝手に取らない。
羅漢の狙いは、注意書きを手習所の教材とすることで、これを大量に作成し後宮中に張り出すということでした。
猫猫は、羅門が以前も同様の活動をしていたことを知り、違和感を覚えます。
猫猫は良かれと思って行った羅門の活動が、逆に「悪意ある者に利用されていたのでは?」と推理します。
その違和感・推理を確かめるため、猫猫は診療所を訪れ、女官の深緑と対話します。
診療所には、かつて先帝のお手つきになって、後宮を出られなくなった女官たちが働いています。
猫猫は、
- 後宮内で長年働く深緑は、羅門の注意書きの内容とそれが毒になることを知っていたのでは?
- 彼女はその知識を使い、過去の毒おしろいや堕胎剤事件に裏から関与していたのでは?
と推理しました。
さらに、猫猫は診療所で虫の図鑑を発見し、子翠が下女として働いている姿に違和感を覚えます。
- 高価な虫の図鑑を持っていること。
- 虫の絵を書いている時、貴重な紙の帳面を使っていたこと。
- 下女なのに、字の読み書きができること。
そのとき、行方不明だった元女官の翠苓が突如現れます。
彼女は、後宮内で話題の「新入りのイケメン宦官」として後宮内に潜入していました。
翠苓は、子翠を人質にとりつつ、
翠苓『黄泉がえりの薬の作り方、知りたくはないか?』
引用元:アニメ「薬屋のひとりごと」第40話より
と猫猫の薬への好奇心を刺激し、後宮からの脱出を迫ります。
羅漢の“茶会”で交わされる、探りと策略
朝議に参加した「皇弟」(=皇帝の弟、壬氏(?))は、宮廷の高官・子昌(桜蘭妃の父親)とともに、軍部の高官・羅漢(猫猫の実の父)から、ちょっとした茶会に誘われます。
その席で、羅漢は、先日の皇弟の襲撃事件で、西方の最新式の銃が使われたことを二人に話します。
羅漢は、この銃があれば戦(いくさ)のやり方がガラリと変わるだろうと前置きした上で、
『あやつら(=襲撃犯)は、これ(=最新式の銃)をどうやって手に入れたんですかねえ?』
引用元:アニメ「薬屋のひとりごと」第40話より
と子昌に探りを入れますが、彼は心当たりがないと返します。
話に一段落ついた後、羅漢は、ついにこの茶会の本題を切り出します。
羅漢の茶会の本題
- 「皇弟」と子昌に最近、結婚した妻(=猫猫の母)とののろけ話を聞かせたかった!
話が長くなりそうだと感じた子昌は、退席しようとします。
その際、羅漢はまるで子昌を試すかのような振る舞いを見せます。
- 羅門:緑色の飲み物を「赤が映えますぞ〜」と言いながら勧める。
- 子昌:何も疑問を持たずに「確かに、美しいですなあ」と返答する。
子昌が去った後、羅漢は、
『叔父き(=羅門)の言ったとおりだ』
引用元:アニメ「薬屋のひとりごと」第40話より
と意味深に呟くのでした。
茶会が終わった後、場面は別室へと移り、そこで「皇弟」の正体が明かされます。
実は茶会の「皇弟」は壬氏ではなく、かつての上級妃・阿多(アードゥ)で、彼の代役を務めていたのです。
一方で、本物の「宦官」壬氏――つまり本当の皇弟は、行方不明になった猫猫を捜すため、奔走しているのでした。
第40話は、これまでの伏線が一気に回収され、後宮の深い闇と登場人物たちの複雑な思惑が交錯するエピソードです。
猫猫の推理と行動が光るこの回は、視聴者にとって見逃せない重要な一話となっています。
詳細な情報や視聴は、公式サイトや配信サービスをご確認ください。

実際に視聴した感想
ここからは、アニメ『薬屋のひとりごと』第40話の中でも、羅漢の“茶会シーン”に注目して、2つの視点から感想を語っていきたいと思います。
羅漢の「のろけ話」について
ひとつ目は、羅漢の「のろけ話」が幸せそうに見える一方で、どこか切なさも感じられたことです。
というのも、恐らく、羅漢と妻・鳳仙(=猫猫の母)は、碁を打つことでしか、コミュニケーションが取れないと暗示されているからです。
それが、羅漢の「のろけ話」のセリフからも伝わってきます。
『これは昨日、妻(鳳仙)と打った碁の棋譜でしてな〜』
『いや〜 頭の切れる妻でしてなあ〜』
『これが研ぎ澄まされた刃のような筋で打っている間 何度、ゾクゾクしたことか!!』
『ほらこの手! なんとか避けきっても また次の一手で攻めてくる〜〜!!』
引用元:アニメ「薬屋のひとりごと」第40話より
このあたりの話を詳しくお知りになりたい方は、シーズン1の第23話と第24話をぜひご覧ください!
このように、羅漢の「のろけ話」は、実は妻・鳳仙とは「碁を打つことでしかコミュニケーションが取れない」ということを暗示しています。
切ないとは感じてしまいますが、羅漢のセリフを聞いていると、デレデレしていて、幸せそうな話しぶりをしています。

羅漢と鳳仙、当人同士が満足して幸せに暮らしているのなら、それでいいんじゃないか?と僕は思います。
羅漢と子昌の探りあいについて
ふたつ目は、今回の見どころは猫猫の推理以上に、羅漢と子昌の腹の探り合いだったんじゃないかということです。
というのも、この腹の探り合いが今後の物語に横たわる謎の解明に関わってきそうだと僕は感じたからです。
- 羅漢が子昌に「最新式の銃の出所は知らないか?」と聞いたこと。
- 羅漢が子昌に緑色の飲み物を「赤色」と偽って差し出したこと。
そして、羅漢のこの探り合いの裏には、次のような狙いがあったのだと思います。
- 子昌に「最新式の銃」に関する話で揺さぶりをかけて、反応を探りたかった。
- 子昌が色盲(=赤色と緑色の区別がつかない人のこと)であることを確かめたかった。
特に、子昌が色盲であることは、羅漢にとって一番重要だったと思われます。
だからこそ、羅漢は、
『叔父きの言ったとおりだ』
引用元:アニメ「薬屋のひとりごと」第40話より
と意味深に呟いたのだと思います。
この、「子昌が色盲である」という設定は、今後の物語に大きく関わってくるでしょう。
というのも、第31話「選択の廟」で、「”色盲であること”が皇位継承の儀式の中で重要な役割を果たす」という話がされたためです。
第31話「選択の廟」での猫猫の推理
- 「選択の廟」は、色盲の皇帝(または妃)が参加しないとクリアできない。
- 「選択の廟」は、王母(=皇帝の祖先)が自分の血統を皇帝の中に残し続けるために作られたシステムなのではないか?
この「選択の廟」の詳しい内容についてお知りになりたい方は、ぜひシーズン2の第31話をご覧ください!
なので、子昌が色盲であることは、ストーリー上の、何らかの重大な展開を暗示しているのではないかと僕は考えます。
まあ、それが何なのかについては僕も具体的な結論にたどり着いているわけではありませんが・・・。
しかし、そう考えると、この「薬屋のひとりごと」というアニメの展開の続きがより一層気になってきますね!!

だからこそ、羅漢と子昌の腹の探り合いは、今後の物語の展開に大きく関わってきそうな、今回いちばんの見どころだったと僕は感じました。
このアニメ、どんな人におすすめ?
『薬屋のひとりごと』第40話は、推理・人間ドラマ・伏線回収の三拍子が揃った、まさに“緻密なミステリー×宮廷群像劇”といえる神回でした。以下のような方には特におすすめです!
緻密な伏線や考察が大好物な人
今回は、羅漢と子昌の「茶会」という場面の中で、色盲という重大な設定が巧みに仕込まれていました。
「この一言が伏線だったのか!」と後から気づくような仕掛けが好きな方にはたまらない展開です。
- 茶会の「赤が映えますぞ〜」という羅漢のセリフ
- 子昌の返し「確かに、美しいですなあ」というセリフ見抜かれる色盲の疑惑
- 皇位継承に関わる「選択の廟」と今後の展開に結びつきそうな色盲という設定

伏線好き・考察好きには必見のエピソードです!
ハイレベルな人間ドラマを楽しみたい人
猫猫・羅漢・子昌・翠苓といった各キャラが、自分の信念や欲望を胸に“盤面の外”で動いているのが本作の魅力のひとつ。
とくに今回は、羅漢の「のろけ話」から滲む夫婦の関係性や、茶会に潜む心理戦など、人間模様が非常に濃厚でした。
推理要素と後宮ミステリーが好きな人
今回の話は、猫猫が深緑とやり取りする中で「誰が何を意図して毒を使ったか?」を読み解いていく、まさに医術×謎解きミステリーの真骨頂!
- かつて後宮内に張り出された「注意書き」が「毒」として利用されたかも?
- 子翠という存在に潜む違和感とその背景
- 翠苓の正体とその目的。黄泉返りの薬の正体は何なのか?
特に、子翠の正体については、前話の39話「氷菓」の感想で語っています。
👇️気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
医療・薬・陰謀といった複雑なテーマをベースにした推理が展開されるのが『薬屋のひとりごと』の醍醐味。サスペンス好きにも刺さります!
総じて…
- 「ただの後宮アニメ」じゃ物足りない人
- 丁寧に仕込まれた“伏線回収”でゾクゾクしたい人
- 考察しがいのある作品をじっくり楽しみたい人
そんなあなたに、『薬屋のひとりごと』第40話は間違いなくおすすめです!

マンガファン&アニメファンとしても大満足の内容でした!
まとめ:伏線と心理戦が交錯する、物語の転換点!
第40話は、物語全体を左右する“伏線と心理戦”が巧みに交錯した、見逃せない重要回でした!
というのも、猫猫の推理劇だけでなく、羅漢と子昌の“茶会”での探り合い、翠苓の再登場など、複数の伏線が同時に回収・進行する構成で、視聴者を物語の核心へと引き込んでくれました。
- 羅漢が子昌に「赤が映える」と言って緑色の飲み物を差し出し、色盲を見抜く心理的トラップを仕掛けたシーン。
- 猫猫が診療所で発見した「虫の図鑑」や「高級な帳面」から、子翠の素性に疑問を持つ展開。
- 翠苓が「イケメン宦官」として再登場し、猫猫に「黄泉がえりの薬」の存在を仄めかすクライマックス。
これらすべてが、今後の“皇位継承”や“後宮の闇”に直結する重大な布石になるのではないでしょうか?

伏線回収の爽快さと、登場人物たちの思惑が交錯する緊張感が絶妙に絡み合った第40話。「ただの後宮アニメ」では物足りないあなたにこそ、ぜひ見てほしい神回でした!
次回以降、
- 壬氏が、猫猫と再会するためにどんな行動をとるのか?
- そして、「黄泉がえりの薬」の正体とは?
ますます続きが気になる展開です!
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ぜひ、過去のエピソードも振り返りながら、伏線や人物関係を読み解いてみてくださいね!
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