「ウマ娘シンデレラグレイ」19巻のあらすじと感想【ネタバレあり】

マンガ感想

「永世三強」に訪れる斜陽の気配。そして、オグリキャップ敗北の衝撃——。
『ウマ娘 シンデレラグレイ』19巻は、これまで数々の名レースを繰り広げてきたウマ娘たちに、大きな転機が訪れる巻でした。

こんにちは、かっちゃんです。

僕は、これまでアニメ・マンガを15年以上愛し続け、熱い展開の作品を好んで追いかけてきました。

この記事では、そんな僕が、1巻から全巻を追い続けている、『ウマ娘 シンデレラグレイ』の19巻を、感想を交えながらじっくりと振り返っていきます。

今回の記事でお伝えしたいこと
  • 宝塚記念でのオグリキャップたちの激闘の模様
  • 主人公オグリキャップの衰えの予兆
  • ミルワカバの執念とも言える、オグリキャップへの”重い思い”
  • 物語全体に漂う終幕の気配
かっちゃん
かっちゃん

この記事を読めば、19巻が『シンデレラグレイ』という物語の節目となる一冊であることが、きっと感じられるはずです。

前巻までのあらすじ

序章 カサマツ篇(1〜2巻)

地方のカサマツトレセン学園で、無名のウマ娘・オグリキャップが北原トレーナーに見出され、才能を開花させていく。

仲間やライバルとのレースを経て、ついに中央(トゥインクル・シリーズ)への切符を掴む。

第一章 中央編入篇(3〜4巻)

中央トレセン学園へ転入したオグリキャップは、実力を証明するもクラシック登録外で日本ダービー(東京優駿)に出走できないジレンマに直面。

しかしその走りは周囲を驚嘆させ、「地方からやって来た怪物」として注目を集めていく。

第二章 白い稲妻篇(4〜8巻)

オグリキャップは、G1初挑戦にして“白い稲妻”タマモクロスと激突。

次々と重賞を制しながら、タマモクロスとの天皇賞・秋では壮絶なレースを展開し、ウマ娘としての更なる高みを目指す。

第三章 永世三強篇(9〜16巻)

有馬記念でタマモクロスに勝利し頂点に立ったオグリキャップ。その代償として負傷してしまう。

復帰後は挑戦者から“王者”として、多くの新星(イナリワン、メジロアルダンら)に追われる立場に。レースごとに新たな戦いが始まる。

第四章 芦毛の怪物篇(17巻〜連載中)

過去の激戦の記憶に苛まれるオグリキャップの前に、かつてのトレーナー・北原(キタハラ)が再登場。新たな展開の幕が開く。

登場人物

オグリキャップ(オグリ)

本作の主人公。マイペースで健啖家(大食い)のウマ娘。

永世三強編の有馬記念の敗北で不調に陥るが、トレーナーの北原(キタハラ)の指導で復調し、前レースの安田記念をレコードタイムで勝利する。

社会現象になるほどのアイドルウマ娘。

イナリワン・スーパークリークとともに「永世三強」の一角。異名は「地方からやってきた怪物」。

ミルワカバ

最近頭角を表してきたウマ娘。

オグリに対して挑発的な言動を取り、彼女に対して並々ならぬライバル心を抱いている

北原 穣(キタハラ ジョウ)

オグリのトレーナー。元々は地方のトレーナーで、オグリを見出した。

彼女が中央(トゥインクル・シリーズ)に移籍してからは、猛勉強の末中央のトレーナーに転身する。オグリからは「キタハラ」と呼ばれている。

ベルノライト(ベルノ)

オグリとともに地方から中央に編入したウマ娘。

豊富な知識とウマ娘ならではの視点でオグリをサポートする。オグリの友人の一人。

実は、スポーツ用品店チェーンの社長令嬢。

イナリワン(イナリ)

下町育ちの江戸っ子ウマ娘。

オグリ・スーパークリークとともに「永世三強」の一角。永世三強編でオグリを下して、有馬記念に勝利した。

スーパークリーク(クリーク)

抜群のスタミナと戦略が持ち味のウマ娘。

オグリ・イナリワンとともに「永世三強」の一角。ドクターストップのため、今巻の宝塚記念の出場を断念した。

ヤエノムテキ(ヤエノ)

武道が得意の皐月賞ウマ娘。

実力派であるが、以前の敗北から同期のオグリにリベンジする機会を伺っている。

バンブーメモリー

マイルの距離のレースが得意なウマ娘。

トレセン学園では風紀委員長を務めている。オグリに憧れている。

各話のあらすじ

第164R 『宝塚記念』

オグリたちの枠入りとライバルたち&そのトレーナーのレース前の意気込みや考察の回。

ミルワカバはオグリに意味深な視線を送る。

第165R『ペース配分』

各ウマ娘の宝塚記念のレース場のアップダウンが激しいという特徴に対するレース運びを描いている。
そんな中、バンブーメモリーはスタートに出遅れてしまう。

第166R『似たタイプ』

レースを映すTVの前で、スーパークリークとそのトレーナーがこのレースのセオリーについて語る。

クリークは、セオリー通りのレースを行うミルワカバは実は真面目なタイプなのでは?と指摘する。

そんな中、オグリはセオリー ガン無視のレース運びを見せる。

第167R『外れ値』

「ナメてんじゃねえですよ 例外(外れ値)共!!」

第167R ミルワカバのセリフより引用

セオリー ガン無視のオグリのレース運びがミルワカバ・イナリ・ヤエノたちのライバルをも動かす!

最後は、この台詞を発したミルワカバの顔のアップで終わり。レースは最終局面へ。

第168R『確かめてやる』

セオリー通りのレース運びをする、ミルワカバが、怪物たち(オグリ、イナリ)を上回るスパートを発揮する!

第169R『それでこそ』

『あと少し・・・! あと・・・少しなのに・・・!!』

第169R ヤエノのセリフより引用

宝塚記念の決着まであと少し。

しかし、ヤエノは、「オグリに絶対に追いつけない」と確信し、悔しさをにじませる。

イナリはここからスパートできず、先頭争いから脱落する。

オグリは、先行するミルワカバに対して、ゾーンを発動し、いつもの怪物じみたスパートをかける。

追い込まれるミルワカバ。それに対して彼女は、心のなかでオグリに対する重い思いをぶつける。

『本当にふざけんじゃねえって話ですよ

いつだってそうだ

どんな状況だろうと どんな展開だろうと

最後は当たり前のように先頭集団にいる・・・

チマチマ策を凝らしているボク達がバカみたいじゃないですか

けどそれでこそオグリキャップ!!

そんなアナタを倒してこそ意味がある・・・!!

さあ・・・魅せてみろ!!

ボク達を塗りつぶした 怪物の理不尽を!!』

第169R ミルワカバのセリフより引用

しかし結局、オグリは、ミルワカバに追いつくことができず2着に終わってしまう。

第170R『こっちを見ろ』

『こんなの芦毛の怪物じゃない!!』

第170R ミルワカバのセリフより引用

永世の3強の斜陽。

勝ったのはミルワカバだったが、彼女は冒頭のセリフをオグリに浴びせ、その思いを不甲斐ない(?)オグリにぶつける。

この結果を受けて、TVの前のクリークは、

『・・・もしかすると 永世三強が揃うことは もう・・・』

第170R スーパークリークのセリフより

とレースを総括してつぶやく。

第171R『負けた原因』

『調子は・・・うん 悪くない 悪くはない・・・んだが・・・ ・・・

すまない・・・ 負けてしまった・・・』

第171R オグリのセリフより

宝塚記念後、オグリは入院へ。マスコミは、オグリの敗因はケガだったと分析している。

それを受けて、ミルワカバは、ケガが本当の原因なら「納得は」できると言う。
レース後の病室で、オグリは北原・ベルノ・六平に冒頭のセリフとともに、負けてしまったこと、故障してしまったことを謝罪する。

第172R『全盛期』

レース後のプリティ&息抜き回。

オグリは怪我の治療を兼ねて、ベルノのお父さんの別荘で療養をすることになった。オグリはベルノ・北原・六平と過ごしていく中で、怪我を癒やしていく。

しかし、六平は北原に対して、ためらいつつも、「宝塚の敗因は、彼女がすでに全盛期(ピーク)を過ぎてしまったためではないか?」と切り出すのだった・・・。

次巻20巻予告は、 『オグリ、完全復活!』 と出ていました。

自分の感想

ここでは、僕の19巻の感想を次の3つの視点で書いていこうと思います。

全盛期(ピーク)を過ぎたオグリ――永世三強の斜陽と最終回への予兆

かっちゃん
かっちゃん

永世三強の斜陽。オグリ、全盛期(ピーク)を過ぎた疑惑。」これが19巻のテーマでしたね。

それを象徴するのが、宝塚記念でオグリがミルワカバに敗れ、2着に終わったことです。

また、永世三強それぞれに焦点を当ててみると、

永世三強のそれぞれの状況
  • オグリ:「調子は悪くなかった」と敗北後に自己分析した。だが、レース終盤で得意の追い込みが発動せず、2着に終わってしまった。
  • イナリ:宝塚記念でスパートをかけられず、そのまま敗北。
  • クリーク怪我により宝塚記念に出走できず、レース後には「もう永世三強が揃って走ることはないかもしれない」と、テレビの前で思いを巡らせるしかなかった。

このように見ると、かつて一時代を築いた永世三強の彼女たちに、終焉の足音がひたひたと迫ってきているように感じられます。

とくに、オグリはこのレースで持ち味である終盤の追い込みが不発に終わりました。

そのため、僕は「全盛期(ピーク)を過ぎてしまったのではないか?」と思わざるを得ませんでした。

かっちゃん
かっちゃん

19巻を通して、「ウマ娘シンデレラグレイ」の物語が着実に最終回へと向かって進んでいることを、強く感じさせられました

ミルワカバの”重い思い”

かっちゃん
かっちゃん

ミルワカバのオグリへの”重い思い”が、すごく・・・すごい良かったです(NTRナリタトップロード風)。

というのも、オグリとの先頭争いの中で、かつて「オグリに辛酸を嘗めさせられた」という悔しさや妬みがごっちゃになった“重い思い”が爆発していたからです。

ここで、特に印象的だったセリフを2つ紹介させてください。

『本当にふざけんじゃねえって話ですよ

いつだってそうだ

どんな状況だろうと どんな展開だろうと

最後は当たり前のように先頭集団にいる・・・

チマチマ策を凝らしているボク達がバカみたいじゃないですか

けどそれでこそオグリキャップ!!

そんなアナタを倒してこそ意味がある・・・!!

さあ・・・魅せてみろ!!

ボク達を塗りつぶした 怪物の理不尽を!!』

第169R ミルワカバのセリフより引用

ミルワカバの悔しさと妬み、そしてそれすらも飲み込んだ敬意が混ざり合った熱いセリフ。彼女がどれほどオグリに影響を受けてきたかがよく伝わってきます。

また、第170Rで、オグリに勝利した後のセリフも印象的です。

『なに負けてんだよ!?

あんたオグリキャップだろ!?

こんな・・・ こんなの違う・・・ッ!!

こんなの芦毛の怪物じゃない!!』

第170R ミルワカバのセリフより引用

勝ったはずのミルワカバが、勝利を喜ぶどころか涙を流さんばかりに悔しがる──

この感情の裏には、ミルワカバの”重い思い”があるのでしょう。

ミルワカバの”重い思い”
  • オグリに全力で走っていてほしかった
  • “怪物オグリキャップ”の本領発揮のスパートをしてほしかった。
  • その上で、オグリを叩き潰したかった。
かっちゃん
かっちゃん

第169Rと第170Rのミルワカバを振り返ると、

彼女のオグリに対する執着とも言える感情は、ただのライバル意識にとどまらず、

畏敬・嫉妬・敗北感といった複雑な想いが入り混じった

“重い思い”だったのだと、改めて感じさせられます。

オグリキャップの黄昏と永世三強の終焉?19巻が描いた“転換点”

19巻は、オグリの引退や作品の最終回に向けた“布石”を感じさせるような展開でした。

というのも──これはややメタ的な視点になりますが──この巻のエピソードは、史実における競走馬・オグリキャップの引退年のレースをモチーフに構成されているためです。

そのうえで、僕が特に「最終回への準備が進んでいる」と感じたのは、以下の2点です。

かっちゃんが考える最終回への”布石
  • 永世三強それぞれに“終わり”が近づいていることを印象づける描写があったこと
  • オグリの代名詞とも言える“怪物的なスパート”が不発に終わり、全盛期(ピーク)からの衰えを感じさせたこと
かっちゃん
かっちゃん

巻末で「オグリ、完全復活!」と次巻(第20巻)の予告が大きく打たれていました。

でも、正直なところ「本当ぉ…?」と思わずにはいられませんでした。

いずれにしても、ここから物語がどう展開し、最終回でどんなカタルシスを迎えるのか──
『ウマ娘 シンデレラグレイ』という作品の真価が問われる、制作陣の“腕の見せどころ”だと感じています。

まとめ:斜陽の永世三強、物語は終幕へ向かうのか?

『ウマ娘 シンデレラグレイ』第19巻では、オグリキャップの敗北と怪我、イナリワンの失速、スーパークリークの不在と、永世三強の終焉を感じさせる展開が描かれました。

特に、ミルワカバのオグリへの”重い思い”が爆発するシーンは、彼女の内面を深く掘り下げ、読者に強い印象を残しました。

巻末の「オグリ、完全復活!」という予告に対し、読者としては期待と不安が入り混じる思いです。

物語が最終回に向けてどのように展開していくのか、今後の展開から目が離せませんね!

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